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日時:2008年06月15日(日)13:00キックオフ 会場:富山県総合運動公園陸上競技場

 

日時:2008年06月15日(日)13:00キックオフ 会場:富山県総合運動公園陸上競技場

カターレ富山

チーム

MIOびわこ草津

5

2 前半 0
3 後半 1

1


13分 中田 洋平

44分 石田 英之

57分 石田 英之

63分 朝日 大輔

89分 吉岡 聡
 

得点


78分 西畑 聖士

カテゴリ

JFL公式リーグ戦

第16節

日時

2008年06月15日(日)13:00キックオフ

会場

富山県総合運動公園陸上競技場

入場者数

3,526 人

天候

晴れ


激闘のHonda戦を終え、ちょうど一週間。
山場の5戦で栃木、武蔵野、Hondaと、3戦して1勝2分。
カターレ富山は、ようやく本来あるべき姿が見えつつある。

前期残るはJFL新加入のMIOびわこ草津と、前回優勝のSAGAWA SHIGA FC。
草津の実力は未知数だが、初参戦ながら5位につけている。
一方、佐川は前シーズンのような圧倒的な強さがなく、現在12位と下位から抜け出せない状況が続いている。

佐川は今季殆ど選手補強を行わなかった。もしかするとこれには大きな誤算があったのではないだろうか。
開幕序盤同じように苦しんだ富山にも、この誤算は当てはまる。
そう、今季のJFLは少なからず例年とは何かが違うのである。

JFLはここ数年、上位と下位が毎年くっきりと分かれていた。
Hondaや栃木、武蔵野ら上位常連組、中堅チームになんとか食らい付く新加入組、そしてJ参入を目指す準加盟組。

準加盟組は戦力を大幅に強化し開幕に臨む為、前年度とは全く別のチームになっていることも少なくない。今季の栃木が良い例である。
今年J昇格したFC岐阜は、新加入ながら突出した実力を持っていた。(JFLを愛する者として、JFLを通過点としか考えていない駆け足チームは、個人的に良い印象は持たないが。)
そして、同じくJ昇格したロアッソ熊本は、JFL時代はロッソ熊本(又は熊本AC、アルエット熊本)として、長年JFLで活躍していた。
例年、一年間続く長いシーズンは、こうしたJ参入組を中心として、他のJFL強豪勢がいかに対抗するかという図式で展開されていた。

では、今年は何が違うのか。

一つ目に、中〜下位チームの台頭が上げられる。
番狂わせ、とまでは言わないが、例年中下位に低迷しているチームや、近年JFLに昇格したばかりのチームが、徐々に実力をつけはじめ、例年の強豪チームを脅かす存在になっている。
昨年までのパラメータを当てはめた上で、Hondaや武蔵野、栃木といった強豪チームが、これらのチーム相手に引き分けや負けを喫してしまうと、たちまち「取りこぼし」と言われてしまう。

二つ目に、新加入チームへの誤算が上げられる。
今季JFLに新加入したのは、ファジアーノ岡山、ニューウェーブ北九州、MIOびわこ草津の3チームである。
ここ数年、地域リーグからJFLに昇格してくるチームのうち、J参入を目指し開幕前から注目を集める熊本や岐阜は別格であったが、以外のチームは順当とも言えるJFLの洗礼を浴びるのが普通であった。
例を挙げるとすると、2007シーズンの新加入組は、岐阜とTDK。2006シーズンの新加入組は、熊本、ジェフ、琉球。2005シーズンの新加入組は、流経大、三菱水島、ホンダロック。
ここ3年の新加入組のうち、J参入を果たしたのは熊本と岐阜のみで、他のチームはそれまでより一つ上のカテゴリであるJFLにおいて、苦戦を余儀なくされていた。(ホンダロックに至っては地域リーグ降格)
しかし今季の新加入3チームは、揃いも揃って異端中の異端である。
J参入を目指す岡山と北九州ではあるが、昨年の岐阜と比べると前評判はそれほど高くはなかったように思える。おそらく、同じJを目指す昨年までの鳥取にすら苦戦するとさえ思っていた。(今季の鳥取は善戦を続けている)
そして、まったくのノーマークであった草津もまた、今季ここまでの段階でこの順位にいるとは思いもしなかった。

そして三つ目は、4位以内J2参入争いの激化が上げられる。
今季より熊本と岐阜がJ2参入したことで、Jリーグが掲げる「J2の18チーム化」の方針に対する空席は残り3つ。
併せてJ2参入規定ラインはJFL4位以内であることから、現在JFLに所属し準加盟の認証を得ている、富山、栃木、鳥取、岡山、北九州の5チームの内、少なくとも1チーム以上はJ2参入を果たす事ができない。
仮に、この5チームの内、4位以内に2チームしか入れなかったとすると、来季のJFLは残る1つの椅子を争う事になり、JFLは更に激化するだろう。
また、3チーム以上が4位以内に入った場合、その時点でJ2枠は一旦満席になる。そうなった場合のさらに翌年からは、J3体勢となるのか、JFLとJ2間での昇降格戦が行われるのか、それとも当面はJ2=18チームのまま運営されていくのか、今の所明確な情報はない。
どちらにせよ、準加盟の5チームは今季での4位以内を目指している事は言うまでもない。

近年まれに見る大混戦のJFL。
それは、前回王者の佐川が下位に甘んじている事からも解るように、JFL全体のレベルが急速に上がっている事を意味している。
前回のレポでも触れたが、そういった意味での横一線と捕えるのであれば、それは全くもって間違いないのである。

思い返せば、開幕戦の北九州、第2節の岡山と、カターレ富山の今季序盤のブレーキは、彼ら新加入組につけられた傷が発端である。
栃木、武蔵野、Hondaと長年JFLで凌ぎを削ってきた好敵手達との激闘の3連戦を無にしない為にも、JFLの厳しさを、JFLの誇りを、新加入組に見せつける必要がある。

怒濤の連戦をくぐり抜けたイレブンが、一段と逞しく見える県総合のピッチ。
空は快晴。

第16節、MIOびわこ草津戦。



JFL昇格初年度で現在5位の余裕からか、緑のユニフォームに身を包んだ草津サポらしき人々が、入場ゲート付近で談笑している。
彼らを横目に、私はいつもの場所でカメラを構えた。

スターティングメンバーのアナウンスが始まった。
まずは草津から。
アウェイであること、JFL初年度ということを加味した上で言わせて頂くが、ハッキリ言ってお粗末なチャント。
我がチームのイレブンそれぞれの愛称、コールも確立されてないのであろうか。

続いて富山のメンバー紹介。
それまでの沈黙を破り、HELL VALLEY率いるホーム富山サポの選手コールが始まる。
息の合った、迫力のあるチャントが、アウェイゴール裏に充分恐怖心を与えていた。

前半開始。

2分、後方からのスルーパスにMF朝日が抜け出す。
が、オフサイドの判定。

草津は最終ラインを極端な程上げ、フィールドプレイヤーの10人が非常にコンパクトだった。
機を見て、今度は最終ラインと中盤を極端に空け、巧みなオフサイドトラップを仕掛けた。

この巧妙なラインコントロールに、富山攻撃陣は苦しんだ。
FWの石田が、長谷川が、MF朝日が、トラップにかかる。

草津のサッカーは、終始このスタイルを貫いた。
そして、この妙技で前期ここまでで「24」もの勝ち点を叩き出したのである。

富山はバックラインからのロングボールも多用するが、草津の罠を破る事ができないでいた。

13分、富山は左サイドでスローインのチャンスを迎える。
左からのクロス、ゴール前で混戦となる中、DF中田が押し込み先制点をあげる。
中田にとっては今季初ゴールである。
草津のオフサイドトラップに面を喰らっていたスタジアムは、早い時間の先制に盛り上がった。

19分、富山が左CKを得る。ショートコーナーからMF朝日。そしてFW長谷川へ。シュートは惜しくもブロックされる。

26分、富山のカウンター。MF上園からのスルーパスに反応したFW長谷川がゴールネットを揺らすが、またしてもオフサイドの判定。
線審は確かにオフサイドの瞬間からフラッグを上げていたのだが、この日の主審の笛はどれも若干遅く感じられ、サポーターから幾度もブーイングを浴びていた。

何度トラップに掛かろうとも、それでも富山は自慢の攻撃陣を何度も前線へ走らせた。

28分、富山は右サイドから中央へスルーパス。抜け出したのはMF朝日。今度はオフサイドは無し。GKと1対1の場面もクリアされ得点には至らず。

30分、富山のFK。ここからのパスにまたしてもMF朝日が抜け出し、GKと1対1。しかしながら、オフサイド。

一辺倒にも思える、前線へのトライ。しかし、無謀とも思わなかったし、得点機を逃し続けている事にも焦燥感は感じなかった。
それは、個々の能力が圧倒的に草津のそれに勝っていたからである。
FW長谷川の高さ、強さが勝る。FW石田の早さが勝る。
MF朝日のスピードやテクニック、MF上園の巧さや前線へのキラーパス、そしてMF渡辺、景山の個々の強さ。渡辺は機を見て攻め上がり、景山は面白いように草津の攻撃の芽を摘んで行く。中盤でのポゼッションも優位に立っているにも関わらず、前に飛び出した選手が、GKへのバックパスを追いかける。
富山の迫力のある攻撃、圧倒的なプレスは、草津のプレイを小さくさせるに充分だった。
そしていずれ、草津のオフサイドトラップをこじ開ける時間帯がやってくる事に、揺るぎない自信があった。

32分、草津の右CK。GK中川がパンチングで防ぐ。

36分、富山が左サイドで展開。MF上園のクロスにFW長谷川が合わせるが、惜しくもGKがキャッチ。

37分、左サイドから、MF渡辺からのスルーパス。FW長谷川へ繋がるがオフサイドの判定。

38分、富山ゴール前、混戦のピンチを迎えるが、ディフェンス陣が身体を張って止める。

40分、富山のFK。パスに反応したMF朝日のシュートはサイドネット。

43分、DF西野のロングフィード。抜け出したFW石田がGKと1対1。これは不発に終わる。

前半ロスタイム、草津の左クロス。切り返されフリーの選手にヘッドで合わされるも、シュートはゴール左にそれた。

前半ロスタイム、左サイドからMF上園のアーリークロス。MF朝日が飛び込むが草津GKがセーブ。

前半ロスタイム、草津のペナルティエリアに放り込まれたボールにDF堤が頭で折り返し、FW石田がボレーで押し込み追加点を挙げる。

2-0で前半終了。


後半開始。

1分、左サイドからMF景山のクロス。MF朝日のシュートはミートせずゴール左へ。

11分、富山が左からクロス。FW長谷川がシュートの体勢に入った瞬間倒されPKへ。
これをFW石田がキッチリ決めて3点目。石田はこの日2得点目。

15分、草津が富山ゴール前でヘディングシュート、GK中川がキャッチ。

19分、攻め上がった富山は草津ゴール前でパスを回し、MF朝日へ。シュートは草津のゴールネットを揺らし、富山がリードを4点に広げた。

22分、FW長谷川からFW石田へのスルーパス。これは惜しくもクリアされた。

28分、後ろからのロングボールに反応したFW石田が、ペナルティエリアで倒されるがノーファウルの判定。

29分、富山が左からアーリークロス。FW長谷川が飛び込むが、シュートはゴール左へ。

32分、抗議したとしてFW石田がイエローをもらう。
攻撃陣が揃って得点している事もあり、ここ数試合得点がないFW長谷川にも、是非ともゴールが欲しい所だったが、ここで無念の交代。
FW長谷川に代わって、久々の出場となるFW石黒を投入。
MF朝日に代わって、今季初出場となるMF吉岡を投入。

34分、草津にゴール前で回されフリーの選手に決められ失点。

35分、草津が富山ゴール付近に切り込みシュート。ボールはサイドネット。

44分、カウンターから左クロス。反応していたFW石黒が足から飛び込む。GKと激しく交錯。石黒にレッドカード。
石黒無念の退場となる。会場からは激しいブーイング。

会場が騒然となる中、後半ロスタイム、ペナルティエリアでMF吉岡が倒されPKへ。
これに草津イレブンは猛抗議。会場が湧く。イエローからレッドへ。会場が更に湧いた。
もうすでに試合終了間際。MF吉岡自身が語るように、おいしい所で吉岡が駄目押し弾を決め5-1。
同時に試合終了のホイッスル。
会場が歓喜に包まれた。


この日、オフサイドトラップという魔法を駆使し、絶好の悪役っぷりを見事演出してくれた草津は、富山の強さ、JFLの厳しさを痛感したはずだ。
草津がオフサイドトラップだけのチームとは言わないし、どんなチームか判断するには1試合見ただけでは解らない。
ただ、単純に、この90分を見た者であれば、戦術云々では埋まらない力量というものが確かに見えたはずだ。

結果は5-1と圧勝だった。
しかし、富山攻撃陣のスルーパスと反応する選手との精度が更に高まり、草津のオフサイドトラップがあれ程機能していなければ、更に得点を積み上げていたことだろう。
5得点の内、2点はPKによるものである。
だがこれも、富山が攻めに攻め、決定的な局面を作り出したからこそ生まれたゴールである。

試練の5連戦と銘打った山場も、これで4戦して2勝2分、獲得した勝ち点は「8」である。
順位は一気に5位へと浮上し、今季絶望的とさえ思われていたJ参入ラインの4位までの勝ち点差は僅か「4」と、かなり現実味を帯びてきた。
しかもカターレ富山は、ここの所完全に負け知らずで、完璧に復調したと言える。

次節は前年度王者、SAGAWA SHIGA FC。

眠りから覚めたカターレ富山に死角はない。



(了)

 

みんなでスタジアムに行きましょう。みんなで応援しましょう。
会場へ向かうその一歩が選手達の力になり、
チームへの後押しになります。
その一歩が夢への大きな一歩なのです。

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